『気候変動と異常気象の関係』
『異常気象の正体』という題から想像しやすいのは、毎年のように日本はもちろん
世界各地からニュースなどで取り上げられることの多い、干ばつ、竜巻、巨大台風…
ですが、世間一般には地球温暖化がこれらの一過性の現象を引き起こす原因として
広まっています。
本書では、地球環境の変化は上記のような数十年?百年などという緩やかな温暖化と
いう枠の中で生じているわけではなく、現在の温暖な気候から氷期へと突如として
変化しうる痕跡を『古気候学』という比較的新しい学問の発展を通して、数十万年
前までの気候変動を鮮やかに現代に蘇らせています。
学問的には極地の氷河や海洋堆積物を調査し、それぞれガス成分や微生物のC14
などの分析を通して推測していくわけですが、きちんと根拠が示されていて、納得の
いく説明がされています。
やや残念に思えるのは、私のような素人に向けても理解を助けるために
図表(写真)がもう少し示されていると丁寧なのではないかと思いました。
いずれにせよ、本書が警告しているように、地球の気候変動は緩慢な変化では無く
数年?数十年先に起こる可能性も視野に入れて、近い将来に急激な異常気象を
引き起こさないためにも温暖化を抑制することは十分に意義のあることかもしれません。